米国テキサス州の刑務所受刑者がコロナで死亡した遺体を運搬する作業をしていることが知られ議論が起きている。
特にこれらはテキサス州の最低賃金にもはるかに及ばない時間当たり2ドルとなっており自分の身にも危険が及ぶコロナ感染者で死亡した遺体運搬作業をさせられるという。
テキサス州エルパソ郡刑務所の受刑者がコロナで死亡した遺体を死体安置所から冷凍トラックに移動させていると報道した。マスコミに公開された映像や写真を見ると、特有の縞模様の服を着た受刑者たちは、安全を考慮して、マスクと手袋などの基本的な防護装備は一応しているようだ。
エルパソ郡セキュリティ官室の報道官は、「私たちの郡でコロナウイルスの死者の遺体を移すために、9人の受刑者が投入されたことを知っている」とし「これら軽犯罪を犯した受刑者たちに霊安室と病院から個人用保護具を提供した」と明らかにした。続いて議論が起きているようだが、この仕事は受刑者の自発的な選択だという。
すなわち、服役者一人ひとりの自発的な選択で問題になることはないという点を強調したのだが、危険な作業を低賃金で服役者に任せることに対する倫理的論議は続いている。現地メディアは「服役者たちが厳しい処遇を受けて労働をすることは昨日今日のことではない。コロナウイルスが広がるこの時期に遺体運搬はもっと大きな憂慮だ」と伝えた。
これに先立ちテキサス州エルパソのある大学病院に派遣勤務をした看護師ロワナ・リバースは「コロナの重症患者が最小限の治療も受けられずに死亡している」と暴露し、論争を呼んだ。リバースはコロナ患者があふれると、大学病院側が「遺体の穴」と呼ぶ重症患者の病室を運営していると証言した。 彼は「ここに入った患者は(次には)遺体のかばんに入った状態で出てくる。死んではならなかった多くの人が死ぬのを見た。死亡した人が多すぎて冷凍トラックが動員された」と付け加えた。