中国四川省の最高の観光地とも言われている「黄龍風景名勝区」。ここは「黄龍の景観と歴史地域」として1992年にユネスコ世界遺産にも登録され、2000年にはユネスコの生物圏保護区に指定されている。
しかしそんな世界遺産に無断で立ち入る観光客が発覚した。18日の16時半頃、「黄龍風景名勝区」を訪れた12人が手すりをこえて保護区に立ち入った。その場所には中国語、英語、日本語、韓国語などで「立入禁止」と書かれているにも関わらず無視したようだ。
しかし一連の無断立入は全て監視カメラで捉えられていた。
無断で立ち入った者達は黄龍風景名勝を毀損したとして10名が摘発された。
黄龍風景名勝区は石灰岩が溶解され、沈殿物が長期間たまってできたカルスト地形である。堆積年齢は3万年前までさかのぼる。柔らかい堆積物地帯と簡単に破損することがあり、注意が必要とされる。しかし無知な観光客は警告も無視したまま石灰岩の堆積物地帯に足を踏み出し毀損させてしまった。
四川省の地方地質鉱物資源局副局長は「石灰岩の堆積物地帯は人の重さ程度ならすぐに破壊される。一度損傷すると、回復も不可能である。元に戻すことができない被害を起こしてしまった」と明らかにした。正確な被害規模はまだ確認されておらず、関係当局が現在調査を進めている。問題の観光客は無謀な行動と引き換えに厳重な処罰を受けることが予想される。
なお拘束された観光客は自国民だそうだ。