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【ネタバレなし】ソウの新作『スパイラル:ソウ オールリセット』を観た感想 ソウを名乗る別物かもしれない




ソウと言えば2004年に公開され最後のどんでん返しが非常に話題となったサスペンス映画だ。低予算で作られたものの興行収入は制作費の100倍にもなった意欲作。

これを機にソウは『ソウ2』、『ソウ3』、『ソウ4』、『ソウ5』、『ソウ6』、『ソウ ザ・ファイナル 3D』と毎年公開され、そして2017年には『ジグソウ:ソウ・レガシー』が公開された。

そんなソウの最新作『スパイラル:ソウ オールリセット』が2021年9月10日より日本で公開されたのだ。
ソウシリーズを全作観ている私は早速朝から観に行った。今回は全てをリセットして一から仕切り直すといういわゆる新章のようなもの。

極力ネタバレなしで感想を述べていきたいが、ストーリーの内容など一切知りたくない人はこれ以上読むのをやめた方が良いだろう。

※一切知りたくない人はこの先注意(ネタバレはありません)

・舞台は警察署 被害者も警察

今回の映画は警察署が舞台となる。冒頭では1人の警察官がソウ(のような)者に捉えられてしまう。警察官は地下鉄に吊された状態。しかも普通に吊された状態ではなく、舌で釣られているのだ。そこで仕掛けられたゲームは地下鉄が来るまでに舌を引っこ抜けば助かるというものだ。今作は舞台が警察署なだけでなく被害者も共通して警察となる。

冒頭からややグロいゲームがはじまるが、ここからが退屈。40分以上にわたる捜査などのやり取りがあり、2回目のゲームがなかなか始まらない。テンポも非常に悪く、全てが初めて出てきた登場人物なためその相関図の説明から入るのだ。主人公はジーク・バンクスという警察官で、父親は元署長。正義感が強く不正が許せない性格。

もちろんソウことジョン・クレイマー(演、トビン・ベル)も出演しない(写真のみでは登場)。今回のソウは模倣犯ではないかと言われている。

・テンポが悪い

とにかく今回の映画は過去の回想シーンが多くそれで尺を稼いでいる。1作目はバスルームという閉鎖的空間、2作目以降は次々と現れるゲームとテンポの良い内容だっただけに非常に残念だ。
ようやく2人目の犠牲者が現れるも、ゲームの様子は回想で見せるのみ。先にその犠牲者が死んだことを先に知らされて、からゲームの残虐シーンに映るのだ。何故こういう構成にしたのかは謎だが、主人公バンクスを主観に起きたかったのだろう。ただソウは犠牲者がゲームをして死ぬか助かるかをドキドキしながら見るのが醍醐味なところもあるが、先に死んだことを知らされてからゲーム内容を断片的に見せられるという編集に疑問がある。

・犯行動機

今までのソウは犯行動機があり、命の大切さを教えてきた。今回の模倣犯の犯行動機は警察の不正である。不正を行った警察、またはそれを黙って見過ごしている警察がターゲットになる。
シリーズ通り共通の物はカセットテープの存在だ。カセットテープからゲームの説明が流れ、その後にトラップが作動する。場合によってはテレビの場合もある。やはり犯人は模倣犯なのだろうか……それとも……。

ただ『スパイラル:ソウ オールリセット』は今後もシリーズ化していくようで、本家ソウとの関係性がまだ分からない。もしかしたら今後どこかで本家ソウことジョン・クレイマーと接点が出てくるかもしれないが、『スパイラル:ソウ オールリセット』単体で見ると凡作サスペンス映画である。

相当なソウシリーズファンで無い限り見る必要はないだろう。
ソウは1~3作目、そして『ジグソウ:ソウ・レガシー』が面白いので見てない人はこれを機会に見て欲しい。



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