2022年4月2日の0時50分から放送された『ネオバス!! しくじり先生 俺みたいになるな』が放送され、その中で『ファイナルファンタジー14』が特集された。
『ファイナルファンタジー14』はナンバリングでありながらオンラインゲーム。いわゆる『ファイナルファンタジー11』の後継ゲームのようなものだった。今なおサービスが続く人気ゲーム。
しかしサービス開始直後は酷いデキで、チョコボが「馬鳥」という表記だったり、マップがほとんどコピペ、更にはレベル上げ以外やることがないという惨状、メニュー画面のマウスがガクツク、アイテム整頓機能が無い、ボスが少ないなど見切り発射感満載のままリリースしてしまったから大変。
当時の代表であった和田洋一が謝罪文を発表するほどで、『ファイナルファンタジー14』は月額サービスを無料と仕切り直しとなった。
・吉田直樹がしくじりを語る
吉田直樹は初期の『ファイナルファンタジー14』のプロデューサーは別の人物。そのプロデューサーは現在は退社しガンホーでゲームを作っている。仕切り直し前の『ファイナルファンタジー14』と仕切り直し後のいわゆる『新生ファイナルファンタジー14』は別物として扱われ、『新生ファイナルファンタジー14』は2013年8月に無事始動。
吉田直樹のプロデュース、ディレクションのおかげで非常に好評なゲームとなったが番組内で当時の苦労を同氏は次のように語った。
「『ファイナルファンタジー14』リリースした当時は2ちゃんねるに『ストレスが溜まる』『全然動かない』『レスポンスが悪い』など10年に一度のクソゲーと書かれていた」という。
・グラフィックを追究した結果……「過去の成功体験にすがった」
そもそもなぜ初期『ファイナルファンタジー14』は失敗してしまったのか? それは過去の成功体験だったという。成功してるから前と同じ事をやればいいという考えで開発を続けた結果だという。
その信念とはファイナルファンタジー=グラフィックが綺麗だったという。結果「これまでにない美しくリアルなオンラインゲームを作ろう」が目標になってしまった。ただ究極のグラフィックを追究するということが社内で広がっていくと“画”にとらわれすぎるのだという。しかし『ファイナルファンタジー14』はオンラインゲーム。1つの場所に300とか400人集まった場合、マシンスペックが足りずに動かなくなってしまうという。それだけでなく街中に置いてある花瓶(樽)が1人の人と同じくらいの処理を食うことになってしまった。この負荷により1画面に30人しか表示できないという制限を設けた。実際には『ファイナルファンタジー14』の世界には同時に数千人、数万人が集まっているはずが30人しか同時に表示されないということになってしまった。
吉田直樹は「こういう成功体験(グラフィック)が優先順位を狂わせる。」と教訓として語っり更に「足し算引き算をやらないままやった結果、ゲームが全然動かなくなる」とした。
規模が大きくなればなるほど分業になり、隣の仕事の専門性が理解できなくなるという。プログラマで解決できることなのか、グラフィックで解決できることなのか一緒の現場でないのでお互い「そっちでどうにかしてよ」となるという。
・とりあえず発売しよう
ここで会社が決めた決断、それはとにかく発売してしまいアップデートで対応していこうというものだった。しかし発売を迎えるも世界中からクソゲーと酷評の嵐だった。酷評の中で最も多かった意見が「やることがない」だった。
ボス1体作るのにも1年半掛かり最終的に強い敵が居ない状態のオンラインゲームとなった。
・ドアを開けるのに15秒
それだけでなくゲームの処理が重たいため、ドアを開けるのに15秒かかるという症状も見られた。これはお城などにある重厚なドアではなく、普通のドアのことだ。
・成功体験は「挑戦」「研究」への貪欲さを鈍らせる
吉田直樹は「強すぎる成功体験は『挑戦』『研究』への貪欲さを鈍らせる」とかたった。成功していたのに何故変えるのか? 変えて失敗したら責任取らされる、前回上手くいってるんだから今回もそれをやっていこうよと、成功体験に甘え更に怖くなると言う。
結果『ファイナルファンタジー14』は莫大な開発費の損失、FFブランド崩壊の危機、社長が謝罪文を発表となった。
・イチから仕切り直し
『ファイナルファンタジー14』はアップデートではなく、イチから作り直すことを決断。また指揮は吉田直樹がプロデューサーとなり、無事2013年に『新生ファイナルファンタジー14』がリリース。今でも続く人気オンラインゲームとなっている。
番組ではここまでしか語られなかったが後半はAbema限定で放送される。