2004年6月25日、mixi、GREEなどが話題になっていた頃に奇妙なSNSが1つ誕生した。それは『キヌガサ』というSNSだ。元カープの衣笠祥雄と関係あるのかと思う人も居るかもしれない。いや、ほとんどの人がこの衣笠祥雄をイメージしただろう。
しかし全くの無関係で、至って普通のSNSだった。衣笠祥雄要素はどこにもなく、日記や写真投稿、メッセージ機能などが使えるSNSだ。
運営していたのはペパボことpaperboy&co.だ。そもそもこの会社のサービスが「ロリポップ!」「SUZURI」「JUGEMU」など面白い名前の物が多いので、『キヌガサ』も何も考えずに付けた可能性が高い。
『キヌガサ』はそもそも嘘のリリース告知から始まったもの。家入社長が自身のブログに「ウチもソーシャル始めました」と書いたのが発端で、名前もノリで付けたという。
当時のキャッチコピーは「全く新しいタイプのSNS」「誰でもなんかの鉄人なんだよ」だった。やはり衣笠祥雄を少しは意識していたのか。しかし実際の名前の由来はキヌガサダケだったそうだ。
私も当時『キヌガサ』に登録していたが、やはりmixiの勢いには勝てず、お世辞には賑わっていたとは言えない状況だった。そんな『キヌガサ』も5年は続き2009年に閉鎖となった。SNS戦国時代に5年間は持った方だと思う。『キヌガサ』はmixi同様に招待制と自らログインして使うことはできない。招待してもらうという敷居の高さが当時の流行だったのだろう。