メキシコ大統領のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(以下、アムロ大統領)は2018年に就任し、その後のメキシコの治安について言及した。
先月14日、メキシコのミチョアカン州では30人のギャングがパトロール中の警察を襲撃し、13人の警官が死亡し、9人が負傷。17日には、メキシコ軍警が「麻薬王」ホアキン・グスマンの息子であるオビディオ・グスマンを逮捕したがカルテル組織員たちが激しく抵抗して、最終的に解放してしまった。その過程で、警察と民間人を含めて計13人が死亡。
今月4日は米国の国境近く、メキシコ北部で麻薬犯罪組織の無差別銃撃に車で移動していた子供6人を含む米国人9人が死亡した。メキシコの当局は、麻薬カルテルがアメリカ人が搭乗した車両をライバル組織の車両と誤認して攻撃した可能性が大きいと見ている。自国民死亡の知らせに激怒したドナルド・トランプ米大統領は麻薬カルテルとの戦いでメキシコを助けると明らかにしたが、肝心の、メキシコ側は必要ないとこれを拒否した。
このように、メキシコの一部の地域では、警察が麻薬カルテルに敗北し、公権力が事実上崩壊した状況である。
警察の給料は安く支給される防弾チョッキやヘルメットは劣悪な物ばかり、更に弾丸は警官が自ら用意しなければいけない状況だ。こんな劣悪な環境で警察がカルテルに勝てるはずが無い。
これに対してアムロ大統領は「メキシコの治安は連日悪化している。メキシコで今年の最初の9ヶ月間の殺人事件が毎日100件近く発生し15分ごとに1人が死亡しているんだ。昨年は3万3000件の殺人事件が発生し、史上最大の殺人件数を記録したが、今年はこれも超える見通しだよ」と語った。