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ソフトバンクが買収したARMの売却を検討 アップルが買うかサムスンが買うかでロイヤリティ争いに





ソフトバンクの傘下となったARMだが、ソフトバンクがそのARMを手放そうとしているという。ソフトバンクはARMの一部または全部を売却する可能性があり、株式上場を検討しているという。

ARMはイギリスのケンブリッジに本社がある半導体設計企業で、製造は行わず設計のみを行っている会社。そのARMのCPUをサムスンやアップル、クアルコムなどの大企業が利用している。みんなの持っているiPhoneやAndroidも元はARMの設計により作られたもの。

設立当時のARMは従業員わずか10人程度で既に大企業だったインテルに勝負を挑むのは非常に困難だった。そこでARMの選択はインテルとは真逆の低消費電力CPUの設計だった。当時は携帯電話などなかったが後にルーターや携帯電話、今ではスマートフォンやタブレットに欠かせないCPUとなってきた。

ARMは一切生産、製造は行わず設計に注力しそのロイヤリティを受け取る方式で利益を上げている。最新のiPhone 11に搭載されているA13も元はARMの設計なのでもちろんロイヤリティは払われており、AndroidのCPUもロイヤリティが払われている。もの凄い台数が生産されているので年間売上は2000億円ほど。スマートフォンの95%がARMとなっており、今ではARM様々だ。

2016年にソフトバンクがARMを買収し日本企業の傘下となった。買収金額は3兆3000万円(243億ポンド)ほどで、日本企業の買収の歴史市場では最大規模だった。当時の孫社長は「20年以内にARMが設計した製品が1兆個以上になる」と発言。とくにIoTの普及で更にARMの需要が増えるとみていたようだ。

しかし新型コロナウィルスの影響でソフトバンクの経営が悪化し、2020年第1四半期ソフトバンクは1兆4300億円の赤字を出し史上最悪となった。切羽詰まったソフトバンクが次に出すカードは買収ではなく売却だった。売却となった場合どこが買うのか? 仮にアップルが購入した場合、ライバルのサムスンがアップルにロイヤリティを払い続けなければならず、その逆もあり。

ソフトバンクはほかにもロボットで知られるボストン・ダイナミクスも買収しているが、こちらは売却予定は無いようだ。

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