今や日本だけでなく、世界的に有名な『ポケットモンスター』。世界では『Pokémon』として親しまれ、新作が発表される度にお祭り騒ぎになっている。アニメやオモチャも世界各国で発売され、もはや知らない人はいないくらいだ。
そんなポケモンのパクリゲーが韓国で販売されていたことが判明。今回、それを入手した。『PowerMon(パワモン/パワーモン)』というタイトルでWindows用ゲームとなっている。
パッケージは一見ポケモンだが、よく見るとロゴが『POKEMON』ではなく『PowerMon』になっている。中央にはピカチュウに似ているキャラクター、というより、そのままのキャラが描かれており、ニャースやヒトカゲなども確認できる。しかし、ピカチュウをよく見ると、尻尾の形が違い、耳毛が生えている。本家のピカチュウとは違うとオリジナルキャラクターと主張したいのかもしれない。さらに、パッケージの中にはゲームのスクリーンショットが印刷されており、アクションゲームだというのがわかる。また、パッケージの下には「1」と「2」が一緒になっているという文字。どうやら『PowerMon』は2作あり、今回入手したものはその2作が1本になっているようだ。
対応OSはWindows95/98/2000/ME/XPと書かれている。検証マシンはWindows10だが、このパソコンで動作させてみることにする。
・メディアはCD
パッケージに入っているメディアはCDとなっておりその古さがうかがえる。今では韓国でも入手が困難なくらい激レアな物となっているこの『パワモン』。
実際に現在のパソコンで起動を試みると正常に起動しないことが判明。
しかしどうしても遊んでみたい気持ちが抑えきれず、どうにか起動を試みる。悪戦苦闘した結果、起動に成功。起動後も時折フリーズしたりと不安定なこのゲーム。ゲーム速度が遅いのも互換性のせいだろうか。
無事起動するとメーカーロゴが登場し、その後タイトル画面となる。
・実際にプレイする
ゲームを開始すると、案の定アクションゲームっぽいのが出てきた。キーボードのカーソルで黄色い生き物を操り、ジャンプボタン、攻撃ボタンのほかにカーソルの上ボタンで空中浮遊が可能。空中浮遊は無制限ではなく緑の気力メーターが残っている限り浮いている事が可能。「そらをとぶ」の能力を覚えた設定なのだろうか。ただこのゲーム、通常のジャンプ力もかなりあるのであまり頼る場面は無いだろう。ドーナツっぽいアイテムやきりたんぽっぽいアイテムを取りながらゴールを目指すという単純なアクションゲームだ。
ステージ上には行く手を邪魔するモンスターがおり、討伐すると人間のうめき声を出して死亡する。なぜ、モンスターが人間のうめき声を出すのだろうかは不明。
また、ピカチュウの武器は10万ボルトではなく、仁丹のような謎の玉。上には体力メーターと気力メーターがあり、体力はダメージを受けると減る。気力は空を飛ぶために必要なようだ。
とにかく、敵を倒しながら延々と右に進んでいくゲームなのだが、いかんせん動作がノロイ。ガクガクしているというか、作りが粗いというか、とてもまともに遊べるレベルではない。また、見えない壁があったり、ジャンプ中に何回でもジャンプできる不具合まで存在。気力を使ってまで空を飛ぶ意味って……。遅いのはマシンスペックのせいではなく、WindowsXPで遊ばないとこのようになるらしい。
この『PowerMon』は9500ウォンなので約1000円。15年ほど前に韓国の地下鉄で売られていたものなので、現在入手するのはかなり困難となる。当然、本家のポケモンや任天堂とは一切関係ない。
もう一本の作品も遊んでみたが、内容はほぼ同じだった。違いはピカチュウの武器が野球ボールになったくらいだろうか……。また、実行ファイルが「PowerMonsterPlus setup.exe」となっているにも関わらず、そのままゲームが実行されてしまう。何をセットアップしたのか不明である。
これは子どもが間違って買ってしまったら、号泣するレベルだろう。韓国でもポケモンは人気がある。もし、間違って買ってしまったのなら……。このゲームを販売したのは「ID SOFTWARE」という会社。『DOOM』や『QUAKE』を制作した会社とは全く別だ。ホームページにアクセスしてみたが、現在はドメインすら使われていなかった。
ゲームの動画は下記より見ることが出来るぞ。
<動作スペック>
・OS:Windows95、98、2000、Me、XP
・CPU:Pnetium 166mhz
・RAM:32MB(推奨64MB)
・空き容量:350MB
・DirectX 7.0以降対応のビデオカード