中国の国営製薬会社、シノファーム(Sinopharm)傘下の中国生物技術集団(CNBG)がコロナウイルスワクチンの正式な承認を申請した。
アメリカのファイザーやモダナとは異なりワクチン効能を実証する臨床試験データを公開していないことで専門家の間で懸念が高まっている。
中国の規制当局にコロナウイルスを一般人を対象にも接種にしてほしいという公式承認申請書を提出した。申請書にはこの会社が中東と南米で実施した3相臨床試験のデータが含まれていた可能性が高い。
このニュースが伝わると、香港証券取引所に上場されたシノファーム内の株価は5.99%上昇した。
CNBGワクチンが正式承認されると、中国はロシアに次いで世界二番目に一般人を対象にワクチンを供給することができる国になる。中国はどの国よりも早くワクチンを完成させ普及させたい狙いで開発を急いだと見られているが、問題の臨床データの公開がされていない。
CNBGは、具体的なデータ公開せずに、「副作用事例がない」とだけ説明に一貫している。中国政府が3相臨床試験が終わっていない状態で、緊急承認をしてくれただけに、公式承認も無理なく通るという見通しが有力だ。