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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を見た感想 テンポが良くマリオ好きでもそうじゃなくても楽しめる 何故評論家から酷評されたのか?




『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が2023年4月28日に公開された。こちらアメリカでは4月5日に先行して公開され既に4月5日から9日までの5日間で興行収入2億460億ドル(約270億円)を記録。
また現在までに1000億円の興行収入を記録している。

マリオの映画と言えば1993年に公開された実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』があるがこちらは興行収入は振るわず任天堂はこれ以降自社のIP(ポケモンアニメ除く)の映画化に慎重になっていた。

しかし今回はミニオンズで有名なイルミネーションが制作、また任天堂とユニバーサル・ピクチャーズが共同出資、それだけでなく総指揮にマリオの生みの親である宮本茂が関わっていることから、相当な力が入っている。

任天堂は相当な自信があったのか、何度かにわけてニンテンドーダイレクトで映画の告知を行ってきた。しかしそこでは全貌がわからずどういったストーリーかわからないようになっている。

そんなわけで実際に映画を観てきたのでネタバレを含まない程度に感想を述べていきたい。

・とにかくテンポが良い

ブルックリンで配管工を営むマリオとルイージ、独立したばかりで元常時(ブラッキー /映画ではスパイク)からバカにされ悔しい思いをするマリオ兄弟。そんなときに市街地の洪水が発生しそれをなんとかしようと配水管の修理に行く2人だが、下水道の更に下のエリアに等の土管を見つけてしまう。土管に先に吸い込まれたルイージは道具を残し消えそれを追いかけるようにマリオを吸い込まれてしまう。マリオとルイージは別々の世界に行ってしまい、マリオはキノコ王国に、ルイージはダークランドに到着。

この上記のブルックリンの配管工の仕事だが、実は仕事が1件入ってくるのだが、その移動中にNEWスーパーマリオ風な横スクロールアクションなCG演出がされている。ゲーム好きなら嬉しいポイントだろう。」

ダークランドに到着したルイージは懐中電灯を片手にマリオを探す。これってルイージマンションでは? そうルイージマンション要素も入れてきたのだ。しかし懐中電灯はすぐに落としてしまう。

一方マリオはキノコ王国に到着し、その場にいたキノピオに言われるがまま着いていく。マリオの世界さながらのアスレチックを攻略していき、お城に到着するとマリオ64で見たことあるお城が見えてくる。

とにかくこのようにテンポが良くこの後は「弟を助けたい」「ピーチ姫に着いていく」「試練をクリア」とトントン拍子に進みその中にマリオ要素が詰め込まれている。

・ピーチ姫強すぎ説

ピーチ姫と言えば毎回クッパにさらわれる役目。しかし今作はマリオ同様、もしかしたらそれ以上の性能を持つ人物となっている。ピーチ姫の過去(キノコ王国に来た経緯)についても触れられているが、大幅に割愛されている。いつか詳しく語られる日が来るのだろうか。
ピーチ姫はとにかくカッコイイ。移動手段もバイクで、ライダースーツで斧片手にクッパに立ち向かうという勇敢さ。これ以上はネタバレになるが、某アイテムをとり敵をバタバタと倒す場面も出てくる。しかし最終的にはクッパの手に落ちてしまう。

・マリオのことを知らなくても楽しめるのか?
マリオをことを知っている前提で見たが、知らない人が見たらどうなるのか? 「海外の評論家はマリオゲーム好きを楽しませる映画だ」と酷評(褒め言葉にも聞こえる)したが、実はそんなことなく単純なアニメーション映画としても楽しむことができる。

・残念なところ

残念なところは劇中の挿入曲だ。マリオの試練シーン、クランキーコングに会いに行く際のファンキーコングの運転中の場面など有名な曲が流れるのだが、そこはマリオの曲でいいのではないかと思えてしまう。何故既存の有名曲を流したのか。

・吹き替え 字幕どっちがオススメ?

私は吹き替えで観たが字幕でも十分楽しめるだろう。声も全く違和感なく、マリオはマリオ、ルイージもルイージしていた。子どもと見に行くなら断然吹き替えがオススメだ。

・ロッテントマトの評論家と一般の評価の乖離

映画評論サイト「Rotten Tomatoes(ロッテントマト)」の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の評価は評論家が59%、しかしそれに対して一般スコアは96%と非常に高い。評論家は「ストーリーが平凡」「結局のところ、非常に平凡」など厳しい意見ばかりだが、評論家以外の声は絶賛で埋め尽くされている。実際に1か月足らずで約1000億円の興行収入成績を叩き出した。この成績はイルミネーションの2022年の作品『ミニオンズ・フィーバー』の興行収入、約1280億円を抜く勢いだ。

・心配なポリコレ要素

昨今映画にありがちなポリコレ要素だが、「女性が強い」以外、気になるポリコレ要素は見当たらなかった。一方ディズニー映画は、誰に向けての映画なのか明確でなく「とにかくポリコレ配慮しないといけない」を前提に作られているようだ。昨年公開された『ストレンジ・ワールド』は有色人種、アジア人大統領、足が欠損した犬など「それブチこむか」という要素ばかりである。もし今作のマリオがディズニーとのタッグだったら、有色人種キノピオ、レズピーチ姫、アジア人顔のドンキーコングなどポリコレぶっこんできただろう。任天堂はイルミネーションと組んで正解である。

・エンドロール後も映像あり

今作はエンドロール後に10秒ほどの気になる映像がある。席を立つのはそれを観てからにしよう。