X

東京五輪エンブレム使用中止に関する記者会見 「取りさげ理由は国民のせい」



東京五輪エンブレムが使用中止されたことに関する会見が本日18時より行われた。先月28日に行われた際は佐野研二郎氏のデザインは類似していることを否定するため、原案を公表。その際に公開された展示例が個人ブログから無断利用していたことが発覚。

会見冒頭では東京2020組織委員会専務理事・事務総長の武藤敏郎氏が説明を行い「8月28日に見せた展開例は流用したのではないか、そもそも原案はヤン・チヒョルトのデザインに似ているのでは無いかという指摘があった」とした。本日午前に佐野研二郎氏に説明を求めたところ、「あれは内部資料として使う物だった、デザイナーではよくあることだった。それが公になる際に怠った」としておりそれが8月28日の会見でそのまま使われたとしている。

ヤン・チヒョルト展におけるポスターは佐野研二郎氏は見に行ったが、どういった物か記憶に無いとしており、「模倣では無いオリジナルです」としている。永井審査委員長は「デザイン会の理解としては9分割されたものは違う物とされる」としているが、同時にここまで世の中で問題になったことに対して一般の方が納得行くかどうかとしていた。

組織委員会はこのような結論に至り、直ちに新しいエンブレムを公募を大前提として行うとした。またより開かれた選考過程を検討していくとしている。この「開かれた選考過程」というが具体的にどういうことを指しているか不明だが、ネットで中継するのか随時報告するのかだろう。

質疑応答

―― スポンサーへの補償はどのくらいへのダメージがあるのでしょうか。
槙英俊 決定そのものが本日で今後わかると思う。

―― 問題が発覚してからここまで引きずってしまった責任について。
武藤敏郎 このエンブレムがリエージュのロゴに似ていると言うことに対しては我々は違うと確信していました。28日の会見もそのためのもの。新たな局面を迎えたのは先週末でした。国民の皆様に理解されるようなエンブレムを選ぶ。

―― 佐野研二郎氏へのギャランティーは支払われるのですか? 再公募の際は佐野さんは応募資格あるのでしょうか。
武藤敏郎 賞金は100万円です。再公募についてはまだ具体的にわかりません。佐野さんがそんなことするか分かりませんが、自粛されると思います。

―― 今回のコンペは佐野さんありきと言われていますが。
武藤敏郎 佐野さんありきということはありません。一等に似たようなのがあったときはどうするかと思っておりましたが、2位にするか悩みました。応募要領に修正あるべしと書かれています。1位と2位の差が大きかったのです。半数の人が佐野さんを選んだ。

―― 8月28日の会見で原案を見せオリジナルであると言ってましたが、使用中止の決定打とは国民の支持を得られなくなったことでしょうか?
武藤敏郎 取り下げの理由は国民の理解を得られなくなったこと。

―― エンブレムを使った廃棄の損害は誰が補償するのか。
武藤敏郎 これは関係者に状況を説明して話し合いで解決していきたい。

―― 原案が修正されるのは何と比較されてどんな問題があって修正が行われたのでしょうか。
武藤敏郎 原案が決まった時点でその中に複数、Tが基本としたロゴが似ているので安全の為に修正した。

―― 展開例の画像は流用されていますが、佐野さん自身が認めているのか。また国民の理解を得られなくなったと言っているが。
武藤敏郎 展開例は原作者にアプローチをした。当初クローズな場ではよくあることで問題は無かった。ただ一般に公開するとなると問題がある。それを怠った佐野さんのミス。権利処理をしているかという指摘については我々のミス。

―― ここまで事態が混乱したことと国民の理解が得られなかったことは何が原因だと思いますか。
武藤敏郎 土日のことが最大の問題だった(展開例)。

―― 誰に責任があって責任をどういう形で取るのか。国際的信用を失墜したことについても。
武藤敏郎 関係者3、4人にあると思う。事態の状況を見た上で対処。佐野さんは盗作したことはないと明言しており理解している。その上で取りさげるという決断をして責任を取った。これを長く続けていく方の方が問題あり、新たに作る方を選んだ。

―― 佐野さんは自分から取りさげたいと言ったときの様子。
武藤敏郎 怒っているということはなく冷静だった。一番訴えたかったのはこれは模倣であるから取りさげるというのは納得できなかったと言ってた。オリンピックに関わるのは昔からの夢であり憧れであった。

―― 佐野さんはコンセプトがオリジナルだと言ってた。劇場とオリンピックではコンセプトが違うのは当たり前。コンセプトを審査する項目があるのか。今回の会見に出席しないのは本人の意向なのか。また別で会見を行うのか。
武藤敏郎 佐野さんがどう対応するかは佐野さん次第。永井さんによるとこういうものの考え方はここ数年で変わってきた。似ているのも沢山出てきた。コンセプトを重要視してきた。

―― どなたがどういったセクションで問題が生じたのか曖昧で今後こういった事例はあり得ると思うのですが、ネット社会の中、理解しようとしなかった人のせいなのか。
武藤敏郎 これは誰が責任あると一概に言えない。ネット社会でデザインの独自性を確保するのは難しいと思い全く仰るとおり。いろんな方々の知恵を頂き1964年の伝統的なやりかたではないと思います。

―― 今日の話し合いで佐野さんが自ら取りさげたと言ってましたが、周りの人から「取りさげられますよ」と言ったのか。
武藤敏郎 国民の支持を得られないので取りさげたいとしてた。最初に取り下げという言葉を口にしたのは佐野さんで最終的に3者で決定。

―― 新しいエンブレムを発表する時間はあるのですか。今年中に発表可能なのでしょうか。
武藤敏郎 今の時点では何月とかは分からない。出来るだけ早く作ろうという気持ちは持ってるがいつまでかはわからない。新しいエンブレムが無いということにつて懸念を持っている。

広告についての問い合わせはこちら

コメントを見る (30)