香川県ゲーム依存症対策条例が4月1日に施行され、それに対するパブリックコメントが公開された。これまでは条例に対する賛成数、反対数だけが公開されてきたが、詳細な意見などがあかされてこなかった。
しかしパブリックコメントが公開され、それを瀬戸内海放送が報じると送信者のIPアドレスが192.168.7.21と表示されていた。
分からない人に詳しく説明すると「192.168.~」のIPアドレスはルーター内から送信されたもの。つまり庁舎内から関係者が意見を送信したいう疑惑が浮上している。
これを見たネットユーザーは騒然となり「自演かよ」「ローカルなのにパブリックとはこれいかに」「内部者の自作自演w」「反対意見多いから賛成意見水増ししたな」「文書偽造じゃん」「アマゾンの☆5を見た気分」と批判が殺到。
そんなわけで実際に香川県の議会事務局政務調査課に電話して真相を聞いてみた。
記者 送信者のIPが記載されており、中にローカルIPが含まれている件はご存じですか?
担当 私自身はIPアドレスがどのようなものか仕組みについてわからない。この件については意見を受け付けるホームページ上のサイトがあります。その際にパブリックから意見を寄せられました。そういった形で有効として扱ってます。
記者 普通そこから一般の人が送信した場合、ローカルIPにはならないと思うんですよ。
担当 あ、そうなんですね……。
記者 「192.168.~」というんは庁舎内から送信した際のみに記載されるIPで、ここからは予想ですが「192.168.7.~」だと政策課とかフロアごとに割り振られてる可能性があります。
担当 あ、なるほどー。
記者 「192.168.7.21」は21に自動割り振り、または固定割り振りされたパソコンから送信されたもので誰がこれを送信したか特定は容易なはずなんです。なんせ庁舎内のIPなんで。外部から、いわゆるルーターの外からだと……ルーターって分かります?
担当 イメージはわかります。
記者 外部からだと「192.167.~」ってならないんです。なのでこれは内部から送信されたのはほぼ確定なんです。しかも内部の人が大量に送信していた。で、今回それについて伺いたかったですが……。
担当 あー……。
記者 あと、同じ賛成意見のメールが何通も何通も1分置きに送信されてる理由ってわかります?
担当 同じく多くの方がこの条例に賛同されて経緯は調査はしていませんが、多数のご意見をそれぞれのパソコンから送信してくださったんだと思います。
記者 IPアドレスが内部からになってますけど。多くの人から意見が送られて来たってわりには文章が全く一緒で改行も一致してるのは何故ですかね。
担当 これはわたくしの方では分かりかねます。そういった形で一人一人意見を頂いたと思ってます。どのような形で意見を出してくださいという決まりは御座いません。
このように担当の人もIPの仕組みによくわかっていないようで、同じ文章が何通も投稿されていた件についても釈然としない回答だった。
同じ文章の投稿について目立ったのは「賛成します」だけの意見が1分おきに送信されていたことだ。
そのほかにも長文での同一内容の意見があったりと物議を醸している今回のパブリックコメント。
今回の騒動のせいか現在香川県のサイトはダウンしてしまっている。
追記:2020年4月14日 17時00分
17時過ぎに香川県議会事務局政務調査課の同担当者に再度問い合わせたところ、思いのほか長くなってしまったので改めて別記事で紹介したい。
続報:香川県ゲーム依存症対策条例のパブリックコメント問題について質問 担当「IPは誤解 同一フォーマットの投稿は偶然」