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3月28日から休館していたバンクシー展に潜入 5月30日より再開





3月15日に横浜のアソビルにて開催開始した『BANKSY展 GENIUS OR VANDAL(天才か反逆者か?)』だが、新型コロナウィルスの影響で開催直後の3月28日から休館となってしまった。

バンクシーの数々のアートが飾られているこのバンクシー展だが、今回編集部のために休館中(5月中旬)に特別に開けて中に入れてくれたので、その様子を紹介したい。

バンクシーと言えば一躍有名になったのは『風船と少女』がオークションに出品されたとき。サザビーズでオークションに出された『風船と少女』が落札と同時に仕掛けてあったシュレッダーが動作し作品が切り刻まれるというもの。本来は全部切り刻まれる予定だったが、本番になり半分で止まってしまったのだ。104万2000ポンド(約1億5500万円)で落札されたこの『風船と少女』は世界的に有名となり、サザビーズと組んだ話題作りではないのではないのかとまで言われている。実際にバンクシーらがそのオークション会場にいたのは事実のようだ。

そのほかにも日本では港区の日の出駅近くにある防潮扉にバンクシーらしいネズミの絵が描かれていたのが2019年1月に発見された。バンクシーの元側近曰く「あれは間違いなくバンクシーの作品だ」という。その防潮扉は都庁にまで運ばれ期間限定で飾られ、小池百合子都知事が「可愛いです」と述べた。現在バンクシーのサイトで、このラットはフェイク扱いされていないので本物の可能性が高い。

関連:【動画】都庁にバンクシーらしき落書きが展示されてしまう! 小池百合子「可愛いです」

話は逸れてしまったが、バンクシー展だが5月30日より再開された。

快く撮影の許可を頂いたので、その一部を紹介したい。バンクシー展に入場するとまず過去の活動を紹介するイメージ映像が上映される。

バンクシー展に入ってすぐ目に付くのは、アートスタジオだ。バンクシーと言えば壁画に描くイメージだが、アートスタジオを持っておりそこで作品なども作成している。このアートスタジオは映画などにも出てきた物から再現したようだ。

世界のどこにバンクシーの絵があるのかの地図も飾られており、ここに書かれているのは本物と認定されているものだ。日本のラットが無いのはフェイクでもなければ本物認定もないからだ。

消費

数々の皮肉作品を描き続けてきたバンクシーだが、最初のカテゴリは「消費」だ。キリストの両手にプレゼントを持たせたりと、本来、慈悲や思いやり、寛容、感謝を思う祝日だったはずのクリスマスの意味が捻じ曲げられ、節操なく消費活動をする日になっていることを皮肉っているイラスト。

政治

イギリス議会と議員を風刺して書かれた作品です。議員たちによる国民的スキャンダルに応じて制作され、政治に対する不満が感じ取れる作品。

戦争

戦争カテゴリでは、意味深なアートが多い。ベトナム戦争当時、南ベトナム軍と北ベトナム軍が交戦し、南ベトナム軍の空軍機がナパーム弾を投下し、空襲を受けたさいに逃げ惑う村人と共に裸で逃げる9歳の少女の写真だ。「ナパーム弾の少女」、「ナパーム少女」とも言われており、全裸のナパーム少女の左右にはアメリカ文化と資本主義のアイコンであるミッキーマウスとドナルドが並んで歩いて居る。この作品はベトナム戦争時に命令を正義と信じて平和な村へ爆弾を落とした人イコール現代でもルール破る人ではなく、何も疑わずルールを守る人への疑問も投げかけている。

世界一眺めの悪いホテル「THE WALLED OFF HOTEL」

世界一眺めの悪いホテル『THE WALLED OFF HOTEL(ウォールドオフホテル)』。2017年に開業したばかりだが、このホテルはイスラエル政府がパレスチナとの間に建設した分離壁に面して建っている。バンクシーがパレスチナ問題に世間の目を向けさせようとして建てたホテルで、バンクシーと何人かのアーティストがデザインした客室10室のほか、ギャラリーとバーも併設。バンクシー展では実際の客室を再現している。

ディズマランド

ディズニーに対しての皮肉なのか、『Dismaland(ディズマランド)』というテーマパークをブリストル・ベイに2015年の8月から9月まで期間限定で開催された。

ラット作品の数々

バンクシーと言えば世界中に描かれているラット。何故ネズミをとりあげたのか? それはどのような状況かでも生き抜くことが出来るからだそうだ。

取材時に休館中だったバンクシー展だが5月30日に再開された。また館内にはちょっとしたお土産コーナーもあるぞ。

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<開催概要>
展覧会名:『BANKSY展 GENIUS OR VANDAL?』(英名)
『バンクシー展 天才か反逆者か』(和名)
期間:2020年3月15日(日)~9月27日(日) ※休業中(5月30日再開)
会場:アソビル(神奈川県横浜市西区高島2‐14‐9 アソビル2F)
主催 :BANKSY~GENIUS OR VANDAL?~製作委員会
企画製作:IQ ART MANAGEMENT CORP オフィシャルホームページ:https://banksyexhibition.jp/

※本記事の写真は許可を得て撮影しています