中国の不動産会社「チャイナブルーム」が昨年5月にオーストラリアのクイーンズランド州にあるケスウィック島(Keswick)を買収した。
この島は国立公園に指定され、島の80%を除く残りの20%を州に99年の長期賃貸する方法で契約した。
しかしこの企業のせいで住民、そして観光客らにとんでもないトラブルが起きた。
不動産会社チャイナブルームは、「立入禁止」の看板を立て国立海浜公園に通じる道を封鎖して住民の出入りを遮断した。従来のボートの傾斜路の利用を禁止した代わりに、めちゃくちゃに設置した新しいボートの傾斜路だけを開放した。民間や商業用飛行機の飛行場への出入りも阻止し、島への出入り困難にした。住民は突然島に閉じ込められた捕虜同然の身になってしまった。ある住民は「島に閉じ込められた気分だ。ボートのない住民は往復2600豪州ドル(約20万円)を払い、ヘリコプターに乗らない限り行き来ができない」と訴えた。
それだけでなく、不動産賃貸やairbnbなどを通じた宿泊・共有を禁止し、観光産業も壊滅状態に陥らせた。ケスウィック島に住んで15年になるレイナ・アズベリーは「私が知る限りでは昨年9月以降観光客は一人もいなかった」と語る。
ある住民夫婦は今年2月、6年間何の問題もなく過ごしていた賃貸住宅から3日で出て行けという通告を受けた。最初から住宅を購入しようとすると、中国メーカーは修理費名目で10万豪州ドル(約770万円)を要求した。夫婦は「我々に住宅購入を断念させようとしているようだ。(中国の不動産会社は)われわれがここで暮らすことを望まないようだ」と説明した。どうやら住民に嫌がらせをしてこの島から追い出そうとするのが中国不動産会社の計画のようだ。
・ウミガメの生態などもめちゃくちゃに
中国メーカーがむやみに行った海岸整備事業も住民の不満を生んだ。 昨年11月、ウミガメの産卵期とあいまって進められた海岸整備事業で、一部の海辺は特有の美しさを失っている。海岸を平らに固め、水のしずくを砂で覆ってしまい、ウミガメ生息地破壊の憂慮も続いた。
ある住民はオーストラリアのABCニュースとのインタビューで「ウミガメが卵を産む時期に工事車両が出たり入ったりしながら浜辺を暴れ回った」と怒りをあらわにした。これについてクイーンズランド大学名誉教授のデービッド・ブース博士は「資料が不足して環境に及ぼす影響を予断することは難しい」と説明した。しかし、適切な許可なしに、公共財同然の海岸沿いの変更作業を進めたのは適切でない」と指摘した。
論議が起こったあと、今年5月から7月まで環境調査に乗り出したクイーンズランド州政府も、ウミガメの生息地や巣に永久的な被害が発生した証拠は発見できなかった。 州政府はひとまず、島の経営陣に対し、承認無しで海岸周辺の変更作業を行うべきではないと勧告した。
賃借人問題については、「島の道路やボート傾斜路、飛行設備、海洋基盤施設拡充のための中国業者のすべての活動が賃貸契約に合致して進められるよう協力することは、州政府の役割だ。しかし残りの問題は合意案に明示されていない」と原論的な立場を示した。さらに、中国メーカーと賃借人が個人的に解決しなければならない問題だと一線を引いた。
依然として中国企業と住民は「島が中国共産党の所有物になった。富裕な中国観光客向けに島が改造されている」と嘆いている。現地メディアは、中国資本がケスウィック島の他にもセントビーズ島とリンドマン島、サウスモレ島、デイドリーム島など天恵の自然環境を誇るオーストラリアの島を手当たり次第に買い入れているという。
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いいぞもっとやれ。中国の非道さを身をもって感じろ
そして嫌いになって世界中に拡散しろ。中国をボイコットするのだ