インドのiPhone工場で働く労働者2000人に対して賃金が未払いだったとして、労働者らが怒りの大規模デモを行っている。
アップル直接の工場ではなくウィストロンという台湾の委託メーカー。南インド、カルナータカ州にある工場は数千人以上にものぼる労働者がアップルのiPhone生産に動員されている。
現地メディアの報道によると、12日夜、夜間勤務を終えた労働者約2000人は、この4ヵ月間、給与をきちんと受けられなかった上、相次ぐ追加勤務などに不当さを感じデモを決行したという。
彼らは閉鎖回路(CC)テレビと工場内の照明、ガラスの壁などを粉々にし、生産設備と車両などに火を付けるなど過激なデモを続けた。
公開された現場の映像には、怒った表情で石を投げ、棒を振り回す労働者たちと残骸で埋まった工場内部の様子が映っている。
労働者らは、工科大学卒業生基準で月給2万1000ルピー(約3万円)の給与を受けることを約束した後、仕事を始めた。しかし実際の支給額はこれに及ばない1万6000ルピー(約2万円)で、この額さえも数ヵ月間で約1万2000ルピー(約1万7000円)となってしまった。
ウィストロン側はまだこれに関する公式立場を示していない中、当該工場はアップルのiPhoneだけでなく、様々なIT製品や部品などを生産してきたという。台湾に本社を置くウィストロンは今夏、中国メーカーのラックスシェアが買収した。関連企業にはAOPenなどがある。
一方、アップルの委託製造会社が労働法を違反し問題となったのは今回が初めてではない。先月も台湾のペガトロンが書類偽造などで夜間・超過勤務に学生勤労者を働かせるなど労働規定を違反した事実が摘発された。アップルはペガトロンへの追加発注を中止し、関連責任者は解雇された。