30代の韓国人男性がアジアン憎悪犯罪に対する報復を理由に性的暴行を試みたところを警察に逮捕された。4月9日、米地域放送のKTLAは、カリフォルニア州アーバイン市で起きた性的暴行未遂事件と関連し、警察がマイケル・サンボン・リー容疑者(37)を逮捕し、取調べを行った。
4月8日午後1時半ごろ、アーバイン市の公園付近の道路で、車に乗っていた女性に性的暴行を加えようとしたが未遂に終わった。被害女性の車の運転席の方に近寄った容疑者は「死にたくなかったら後部座席に行け」と脅迫した後、性的暴行を試みた。財布に入った現金をすべて渡すという懐柔(かいじゅう)にもかかわらず、「後で受け取る」と被害女性を後部座席に座らせた。銃を所持していたと判断した女性は、要求により、おとなしく後部座席に移動するほかなかったという。
やがて容疑者が性的暴行を試みると、被害女性は近くにいた修理工に「武装強盗がいる」と叫びながら強く抵抗した。女性の激しい抵抗を受け、急いで現場から抜け出した容疑者は、周辺のマンションに止めておいた自分の車に乗って逃走した。
通報を受けて出動した警察は、監視カメラを分析し、容疑者のナンバープレートを確認、犯行当日の8日夜、自宅で容疑者を逮捕した。容疑者の自宅と車両の押収捜索で、警察は被害女性が拳銃と勘違いしたBB銃(モデルガン)とひもなど犯行に使われた道具を発見した。
容疑者は警察の取調べで、「アジアン血統の被害女性を白人と勘違いして犯行に及んだ」と供述したという。 これに対し警察は「容疑者の供述と捜査内容を総合した結果、今回の事件は最近増加したアジアン憎悪犯罪に対する報復性攻撃であることが分かった」と説明した。
アジア系人権団体「アジア・太平洋系に対する憎悪を止めろ」(Stop AAPI Hate)によると、昨年3月19日から今年2月28日まで米国で受け付けられたアジア・太平洋系対象の憎悪犯罪は3795件以上だ。しかし、憎悪犯罪に対する報復攻撃は今回が初めてだ。警察は現在、容疑者に憎悪犯罪容疑を適用して起訴できるかどうかを確認している。容疑者は、拉致および性的暴行未遂の疑いによって100万ドル(約1億円)の保釈金が策定された状態で拘禁中だ。
また今回の犯罪により、更なるアジア人へのヘイトが高まる可能性もある。特にカリフォルニア州と言えば在米コリアンが多い地域でもある。今後アジア人だけでなく韓国人の居づらい環境になるかもしれない。