11月16日Hareza池袋で「みんなのハレ舞台 with AI」開催
2024/11/22 05:25:29
皆さん、映画はお好きですか?どんな映画がお好きですか?ド派手なアクションに爆発が見もののアクション超大作がお好きですか?それともお涙頂戴のドラマがお好きですか?いつもとは有りえないシチュエーションにドキドキさせられる恋愛映画ですか?
ここでお勧めしたいのが『ビフォア』シリーズです。
ジャンル分けで言うと恋愛映画です。
でも、このシリーズ(正確には3部作)は他の恋愛映画とは違います。何が違うかと言うと、この映画は主人公となるキャラクター2名の関係性が20代、30代、40代と加齢と共にどう変わっていくかにフォーカスした点です。
この映画が更に他の映画と違う点は、各作品のストーリーが『1日の出来事』であると言う事です。なので、各作品のあらすじは主人公の男女がヨーロッパにある街(ロケーションは各作品によって異なる)で話しながら1日を過ごす、と言う非常にシンプルな作品となります。
どうですか?面白そうですか?せっかくなので、venus point casinosで遊びながら、一緒にこの名作3部作を観てみましょう。
作品を通してイーサン・ホーク演じる『ジェシー』と、ジュリー・デルピー演じる『セリーヌ』が初めて出会った20代、再会を果たした30代、家族となって子供も生まれた40代に焦点を当てています。
また、他の映画にない点として第1作目ではウィーン、第2作目はパリ、第3作目はギリシャのペロポネソス半島で過ごす1日がストーリーとなっています。特に第2作目である『ビフォア・サンセット』は、ジェシーとセリーヌが再会し、パリの街を一緒に共に話しながら歩く90分間がそのまま映画の尺になっています。
この手法は監督であるリチャード・リンクレーターが実際に会って一緒に時を過ごした、『エイミー』と言う女性との体験が基になっていると言われています。
また、この作品がどうして20代、30代、40代の男女の関係性についてフォーカスをしているかと言うと、本国アメリカで1994年に公開された第1作目である『ビフォア・サンライズ』(日本で公開当初のタイトルは『恋人までの距離』)は前述した監督の体験がベースとなっていますが、実世界で主人公の2人を演じたイーサン・ホークとジュリー・デルピーが年齢と共に色々な事を経験し、それが自分たちを人として成長して『大人になった自分たち』がジェシーとセリーヌだったらどの様な関係になるのか?と思いついたことから続編の製作が開始されたと言われています。
更にシリーズ2作目である『ビフォア・サンセット』は本国アメリカでは2003年に公開され、第1作目と第2作目には現実世界で9年間の空白があるため、同シリーズのファンは揃って「次の作品は9年後の2012年に公開されるに違いない!」と公開時より信じ続けていました。また、第2作目が製作・公開された際には前作も国際的に人気のある映画となった為、第1作目で使用された楽曲や主演のジュリー・デルピーが歌う楽曲をフィーチャーしたサウンド・トラックも発売されるほどでした。
そして、事前に公式発表も何も行われなかったのにも関わらず、続編が前作から9年後に公開されると信じて疑わなかったファンたちを「待ってました!」と喜ばせるかの如く、突然、2012年度のサンダンス映画祭にてシリーズ第3作目である『ビフォア・ミッドナイト』がプレミア公開されるというニュースがアナウンスされました。
ファンが何を求めていたかを理解し、自分たちもファンを喜ばすためには何ができるのかを模索してキチンと新作を製作して期待に応えたリチャード・リンクレーター監督、そして製作陣の行動力や努力には感服します。
そして、この第3作目である『ビフォア・ミッドナイト』は、お互いに40代となり、離婚、前妻との間にできた離れて暮らす子供との関係を構築する難しさへの苦悩、出産、これからのキャリアなどについて描かれています。そして再会の喜びや限られた時間への焦りなどが見え隠れする第2作からは考えられない、倦怠期を迎えた夫婦が、自分たちの愛は冷めてしまったのか、もう存在しないのか?そんな愛情を確かめ合うまでの様子がリアルに描かれています。
この映画が他の映画とは違う点については前述した通りですが、やはり実際に映画を観て「この映画は違う」と思える点は、なんといってもその『自然さ』です。
まず、第一にこのシリーズは基本的に物語の主人公であるジェシーとセリーヌが様々な話題についてランダムに話し合うだけの映画です。スマートフォンが流行し、同じベッドに寄り添うカップルでも、お互いよりスマートフォンの画面を眺めている時間の方が長いような現代社会においては考えられない程の会話が続きます。
また、会話が進むにつれて、それぞれの主人公が考えていることや感じていることが表情に現れはじめ、それにより2人の心が通いはじめたのか、もしくは愛が冷めてしまったのかを目で理解することができます。特に第1作である『ビフォア・サンライズ』では主演の2人がまだ20代前半と若買ったのもあり、はじめは緊張しているのが画面を通じて伝わってきます。
先に『自然さ』がこの映画が他の映画とは最も違う点であるということをお伝えしましたが、これは第2作目である『ビフォア・サンセット』にも当てはまります。確かに、監督であるリチャード・リンクレーターと主演の2人であるイーサン・ホークとジュリー・デルピーの3名が何度も話し合い、リハーサルをこなして緻密な脚本を作り上げたのは事実です。しかし、第1作目と第3作目は作り込まれた感があるのに対して、第2作目の会話の流れや主人公の2人がとる行動の自然さには目を見張るものがあります。
もし、何も事前情報がなく、テレビを点けてチャンネルを適当に回しててこの映画で止まったとしたら、ドキュメンタリーを観ているかの様な錯覚をおぼえるのではないでしょうか。そして「これ、映画だよね?」と自問し、リモコンを置いてこの映画に釘付けになることは必至です。
この現代社会におけるリアルで等身大の恋愛映画のインスピレーションとなった『エイミー』という女性は誰なのでしょうか?
これを語るには1989年にまで遡る必要があります。
後のインディペンデント映画ブームの火付け役となる『スラッカー』を作成する前、まだ駆け出しで映画監督としての成功を夢見る若き日のリチャード・リンクレーターはフィラデルフィアの街にある、おもちゃ屋でエイミーと出会います。
2人はジェシーとセリーヌの様に意気投合し、第1作目である『ビフォア・サンライズ』と同じ様に一緒に街をウロウロし、夜更かししながら話し合うなどして距離を縮めていきました。
その後、2人は第1作目のエンディングとは異なり、関係を続けようとしましたが、やはり広大な土地のアメリカ合衆国では遠距離恋愛を続けるのは難しく、2人は友達のままでいることにします。
しかし、残念ながらエイミーは第1作目の撮影が開始される前に不運のオートバイ事故により帰らぬ人となってしまいました。
この映画を製作したリチャード・リンクレーターはエイミーが亡くなった事実を知らないまま、いつの日かエイミーがこの映画を観て感想を伝えてくれると信じて『ビフォア・サンセット』までの2作品を製作し、その『ある日』が訪れることを信じ続けました。
そんな中、『ビフォア・ミッドナイト』が製作される数年前に、奇しくも第2作目でジェシーが第1作目での経験をフィクションを織り交ぜながら本を執筆したのを読み解いたセリーヌ如く、エイミーの生前の友人だった方が第1作がエイミーとリチャードが共にフィラデルフィアの街で過ごした時間がインスピレーションとなっているのに気づきます。そしてエイミーが既に故人であるという悲しい事実がリチャード・リンクレーターの下まで届くこととなります。
『ビフォア・ミッドナイト』のクレジットを最後まで観ると、リチャード・リンクレーター監督は、この映画をエイミーに捧げているのを確認できます。
この『ビフォア』シリーズの最終作である『ビフォア・ミッドナイト』と、第1作目のインスピレーションとなった女性に捧げる事により物語にとっては完璧な締めくくり方だったのではないでしょうか?
2003年に続編が公開された当時、ファンの間では「20代から30代と来たから、次は絶対に40代だ」と期待され続け、その期待に応えるべく『ビフォア・ミッドナイト』を製作したリチャード・リンクレーター監督をはじめとする主要製作陣たち。となると、やはりファンはジェシーとセリーヌが50代、60代、また70代になったらどの様に変わっていき、2人の愛も変わっていくのかが観たいと期待するもの。
しかし、第3作目が公開されてから既に10年が経ち、各作品の『現実と同じく9年間の空白がある』ルールが過ぎてしまった為に、続編が製作される可能性は低いと言えるでしょう。きっと製作陣も作ろうと思えば、自分たちの経験を還元して作ることができるのかもしれませんが、20年の年月を掛けて作り上げたこの作品を、むやみに今流行りのアクション映画シリーズみたいに何作も続編を作り、引き伸ばしていくのではなく、素敵な思い出として心の中で輝いていて欲しいのかもしれません。
また、主人公の1人を演じたジュリー・デルピーがインタビューで4作目への出演を断ったという噂に対して「いいアイデアが浮かばなかった」と発言をした事から、やはり本人たちにも『やりきった感』があるのでしょう。
『人生は小説より奇なり』という言葉を私たちは実生活の中で度々目にすることがあります。また、『一期一会』という四文字熟語が持つ素敵な意味に似合う出会いを夢見るのも、これまた事実ではないでしょうか?
誰もができるという訳ではありませんが、実際に経験できたら、なんて素敵な事なん
だろうと胸を高まらせ嬉しい気持ちで満たされることは間違いなしです。もし、それが最初から終わるのが決まっていた悲しい出会いだとしても、そこに到るまで一緒に過ごす一瞬一瞬を楽しむのを忘れない事で、『悲しい終わり』は『楽しい思い出』に生まれ変わるのではないでしょうか?
この『ビフォア・サンライズ』から始まるシリーズは、まっすぐに相手の目を観ながら自分の考えを共有し、また、相手の発言を自分なりに理解をして返事を返す、という基本的な『言葉のキャッチボール』がどれだけ大事なのかを再認識させられる映画です。
もし、人は生まれ変わっても同じ人と出会えるのであれば、この映画を製作したリチャード・リンクレーター監督も生まれ変わった世界の1989年にフィラデルフィアのおもちゃ屋で同じく生まれ変わったエイミーと出会い、恋に落ち、今度は前世とは違う結末を迎えるかもしれません。
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