工場などの現場で作業を行うロボットには、産業用ロボットと協働ロボット（コボット）という2種類があります。これらのロボットは、どのように違うのでしょうか？また、どのように活用されているのでしょうか？この記事では、産業用ロボットとコボットの定義と特徴、市場動向と展望、活用事例と課題について解説します。

産業用ロボットとコボットの定義と特徴

産業用ロボットは固定された場所で単純な作業を繰り返すためのロボットであり、安全柵が必要です。一方、コボットは小型で軽量であり、人と同じ空間で作業できます。産業用ロボットは重い材料を扱えますが、安全策が講じられており、重い荷物や加工などには制限があります。

産業用ロボットとコボットの違いを表にまとめると以下のようになります。

項目	産業用ロボット	コボット
作業内容	主に単純作業 産業用ロボット単体で完結する作業が多い	人と一緒に作業ができる 細かな作業も得意
設置場所	安全対策として柵の設置が必要 広い設置場所が必要	安全基準が緩く柵が不要 設置場所を選ばない
制御	主に位置制御 ティーチングが複雑	位置制御とトルク制御（力制御） ティーチングが容易
生産物	同品種・大量生産が中心	多品種少量生産に柔軟に対応可能

産業用ロボットとコボットの市場動向と展望

産業用ロボットは新型コロナウイルスの影響で需要が減少しましたが、自動車や電気・電子分野での需要が主要であり、2025年までに市場規模が回復する見込みです。

一方、コボットは食品や医療分野などで需要が高まり、成長が見込まれています。2025年までに市場規模が大幅に拡大する見込みであり、自動車や電気・電子分野でも需要が増加しています。

産業用ロボットとコボットの活用事例と課題

産業用ロボットは自動車製造や電気・電子製品製造、食品製造などで活用されています。しかし、安全柵やプログラムの複雑さ、多品種少量生産に対する課題があります。

協働ロボットは食品工場や半導体工場、自動車工場、研究機関、教育機関などで様々な作業に活用されています。ただし、重い荷物や剛性が求められる作業には制限があり、安全性や人との協調、コミュニケーションが重要な課題です。

まとめ

産業用ロボットは単純作業を担当し、コボットは小型で軽量なため使いやすいです。産業用ロボットの需要は減少していたが回復し、コボットの需要は増加しています。両者にはメリットとデメリットがあり、適したロボットを選択するべきでしょう。