2025/11/04 10:42:53

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政治・経済・社会

「みんなで大家さん」の次に問題になりそうな不動産投資クラウドファンディングサービス「ヤマワケエステート」


ヤマワケエステート

不動産投資の“闇” 高利回りをうたった「みんなで大家さん」に行政処分 分配金遅延も

投資家から小口出資を募り、不動産の賃料や売却益を分配する――。
一見、手軽で安定的に見える「不動産小口化投資」に、再び不穏な影が差している。
東京都に本社を置く 都市綜研インベストファンド株式会社 が運営する投資商品「みんなで大家さん」シリーズが、2024年以降、分配金遅延や行政処分などの問題に直面していることが明らかになった。

“安定利回り6%”をうたった人気商品

「みんなで大家さん」は、投資家が1口100万円から出資し、同社が保有・開発する不動産から得られる収益を分配するという仕組み。匿名組合契約を通じて、個人でも大型不動産の“大家”になれることを売りにしてきた。
想定利回りは6〜7%。2カ月ごとの分配や短期運用を特徴とし、地方都市の商業地や開発用地を中心に多数のシリーズを展開。とりわけ「シリーズ成田」は、バナナ農園や成田空港周辺の開発構想を背景に多くの投資家を集めた。

過去の行政処分

「みんなで大家さん」を運営する 都市綜研インベストファンド株式会社 は、2013年(平成25年)5月29日、大阪府から 60日間の一部業務停止命令(不動産特定共同事業法違反) を受けている。この処分は「資産の合計から負債を控除した純資産が許可要件を満たしていなかった可能性」など、財務基盤の健全性の観点から指摘されたもの。このことを知っていれば「みんなで大家さん」に手を出す人は居なかっただろう。

行政処分と分配遅延 投資家に不安広がる

しかし2024年6月、同社は不動産特定共同事業法違反などを理由に行政処分を受けた。成田地区の一部案件では、開発許可を得ていない土地を対象に出資を募っていたことが問題視されたとされる。

さらに2025年夏には、複数シリーズで分配金の支払い遅延が発生。
一部の出資者からは「問い合わせても返答がない」「中途解約ができない」といった声が相次ぎ、SNS上では“第二のテクノシステム事件”との批判も広がった。
関係者によると、同社は「資金繰りを調整中」と説明しているが、詳細な財務情報は公開されていない。また、自己資本比率が低水準にとどまっているとの指摘もあり、「新規出資で既存投資家への分配金を賄っているのではないか」という疑念も浮上している。

不透明なスキームと投資家保護の限界

「みんなで大家さん」は匿名組合スキームを採用しており、投資家は不動産を直接所有していない。
そのため、運営会社が経営難に陥った場合、投資家が資金を回収できる法的優先順位は低く、リスクが顕在化しやすい構造となっている。

専門家の間では、こうした“高利回り・小口投資”型の不動産商品について、「金融商品と不動産投資の中間にあるグレーゾーン」「運営会社への信頼がすべて」と警鐘を鳴らす声も強い。

次に注目されそうな「ヤマワケエステート」とは

類似構造の「ヤマワケエステート」にも注目集まる。
今回問題となった「みんなで大家さん」の構造は、現在注目されている「ヤマワケエステート」などの不動産クラウドファンディング型商品と共通点が多い。
どちらも小口出資を通じて不動産開発に関わる仕組みだが、運営会社の財務体質や案件の透明性が十分に担保されていなければ、同様のリスクを孕む。投資家に求められるのは、「利回りの高さ」ではなく、「事業者の信頼性」と「資金の流れが見えるかどうか」という視点だ。

教訓:「大家になれる」投資の裏側

みんなで大家さん問題は、不動産小口化ビジネスが抱える構造的なリスクを改めて浮き彫りにした。
“みんなで大家”にはなれるが、“最後まで安心な大家”でいられるかは、別問題である。

ヤマワケエステート:高利回りクラウドファンディングに漂う警戒サイン

■ 事業概要と魅力
ヤマワケエステートは、少額(1 万円からなど)で参画可能な不動産クラウドファンディング・スキームを提供するサービス。
・想定利回りが一桁〜二桁(8%以上が基本)という高利回りを掲げている。
・募集頻度が高く、運用期間が比較的短期(数 ヶ月〜1年)という案件も多い。
・少額参画による敷居の低さで、個人投資家に人気を集めていた。

■問題の顕在化:償還延期・不信の拡大
しかしながら、複数の報道・分析により以下のような問題が明らかになっている。
・償還(元本返還・利益分配)予定日の延期 が発表されており、特に「札幌市宮の森」シリーズのファンドで、売却契約の成立遅延が原因とされている。
・運営会社・グループの経営状況・財務構造に対しての 信頼性低下。たとえば、親会社・グループ会社の株主優待の廃止や社長の辞任などがネットで指摘されている。
・情報開示の不足、また劣後出資の割合が少ない、途中解約不可というスキーム上の制約が多く、投資家保護や透明性の面で懸念が出ている。

■ 主な事例
・2024〜2025年に募集された「No. 62号 札幌市宮の森 2nd」などで、運用終了予定時期が近づいていたにもかかわらず、売却契約が成立せず「償還延期」となる通知が出ている。
・親会社 株式会社REVOLUTION がかつて発表した株主優待制度(2,000株保有株主に年間12万円分のQUOカードPay)を 一度も実施しないまま廃止。この発表が投資家の不信感を更に強めた。

■ 投資家にとってのリスク要因
・高利回りの提示は魅力的だが、「なぜ高い利回りを出せるか」「売却可能性・賃料収入の確度」「劣後出資比率/運営会社のリスク耐性」など裏側の構造を慎重に確認する必要がある。
・運用期間中・運用終了時に想定通りの収益・売却実現ができないと、 元本割れ・返金遅延・運用延長 といったリスクが顕在化。
・情報開示が遅かったり、運営会社の財務体質・グループ関係の説明が不十分な場合、信頼性が低下し、退出・解約・売却時の選択肢が制限される可能性がある。
・スキーム上、中途解約が不可であったり、劣後出資が少ないといった構造的な弱点があると、投資家にとっては流動性・安全性が低めになってしまう。

■ 現状と展望

記事執筆時点(2025年11月4日)では、ヤマワケエステートのサービスは継続しているが、募集案件数・投資家離れ・信頼回復の観点で 明確なマイナス材料が出てきている状況だ。たとえば、償還遅延が表面的に広まることで新規募集が鈍る可能性があるという分析も出ている。
今後、同社が信頼を取り戻せるかどうか・運用実績を積み重ねられるかどうかが注目されている。

このように、ヤマワケエステートは「高利回り+少額投資」という魅力的な側面を持つ一方で、償還遅延・情報開示不足・運営会社の信頼性という観点で “いま注意すべき事例” として整理できる。
先に扱った みんなで大家さん の問題と対比して整理すると、以下のような比較軸が浮かぶ。

・運営会社の過去の処分歴(みんなで大家さんは2013年に処分あり)
・高利回りを謳うスキーム構造の共通点
・出資者保護・契約構造の透明性/情報開示の有無
・売却・償還実現の可否および遅延リスク

備考・注意ポイント

想定利回りが15%前後という高水準の案件もあり、利回りだけを見ると魅力的に映るが、一部ファンドが「運用期間終了後に償還が延期」された事例が明らかにされている。また、募集額・実際の運用状況・売却実績・元本回収可否など、ファンドによって透明性にバラつきがあるとの指摘がある。
ヤマワケエステート案件一覧
ファンド名想定利回り運用開始/終了予定償還状況・遅延状況その他備考
第62号「札幌市宮の森 2nd 隈研吾&Knight Frank社」約 15.9% 運用終了予定:2024年末(年末運用終了) 償還予定日が 延期(運用終了後に対象不動産の売却が完了せず)売却先交渉・決済が遅れたことが背景と報じられています
第106号「札幌市宮の森 3rd 隈研吾&Knight Frank社」表記なし(想定利回り不明)運用終了予定分とされているシリーズの一つ償還 延期 の対象ファンドとして報道あり同シリーズ内で複数回募集された物件群の一環
第119号「札幌市宮の森 4th 隈研吾&Knight Frank社」想定利回り範囲内(13〜18.4%との報道) 運用終了予定分のシリーズ最終連番とされる 償還 延期 の対象として報じられている同物件20戸を4シリーズで分割募集という構成

ヤマワケエステート

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