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【横山緑コラム】「ニコニコ生放送の永久NG開始で離れる支持層」 ユーザー離れ起きると読む



ついにこの時が来た!私は渋い顔をしながら苦虫を噛み潰すように渋いお茶を飲んだ。2023年11月28日から、ニコニコ生放送では永久NG機能が実装される。これは、配信者が視聴者を永久にコメントできなくする機能だ。以前は、コメントしたユーザーをNGリストに入れても、1週間で解除された。しかし今後は永久にコメントを書けなくなる。つまりそのアカウントは配信者がリストから解除するまで永久にコメントが書けなくなるという仕様に変更される。運営はその重大さを理解しているのだろうか?

厳しい対応に疑問

ニコニコ生放送は、Twitterのようではなく、リアルタイムでコメントが横に流れる仕組みを持っている。悪意ある連投コメントもあるだろうが、それでも1週間のコメント禁止で十分ではないだろうか? 配信者にとって、リスナーとのコメントのやり取りは楽しいやり取りの中核だ。中には暴投コメントをする人もいる。しかし、なぜ1度の暴投で「二度とコメントできなくする」という厳しい対応を選んだのか?これには疑問を感じる。

①根本的な解決になっていない

アンチコメントやしつこい連投を永久NGしても、サブアカウントを使った対応がない。永久NGされても、無限に作れるサブアカウントで同じことを繰り返すだけで、解決になっていない。なぜプレミアム会員のみにコメント機能を限定するなどの対策が議論されなかったのだろうか。これは極端すぎる。

②コメントを躊躇するリスナーが増え、放送が過疎る

冗談も言えなくなる。例えば、配信者が店で配信するとき、視聴者が「その店の権利は?」とコメントし、それに怒った配信者が即座にNGにすると、その視聴者は二度とコメントできなくなる。これが繰り返されれば、「この配信者はすぐNGにする」という噂が立ち、放送が過疎るだろう。これまでは1週間の解除期間があったが、永久NGにより視聴者離れが進む恐れがある。

③運営の取締役、栗田氏の謎の発言

超会議2023での奇抜な行動を取る栗田氏は、11月15日の発言で、ニコニコ生放送のブロック機能をTwitterのブロックと同じ権利として捉えているが、ニコニコ生放送はコメントのやり取りが生命線だ。一度の気に入らないコメントで永久NGは、視聴者心理を理解していない。運営は配信者にとって使いやすい環境作りを目指しているが、これは歴史を破壊する行為ではないか。川上会長は1週間のBANを設け、反省の機会を与えていたが、栗田氏はそれを否定するかのようなルールを作った。この考え方の違いは注目に値する。

配信者を育て、盛り上げるのはコメントだ。リアルタイムでコメントを大切にしていれば、永久排除や対象者の排除は問題を生む。気に入らないコメントは無視するのが最善の対応だ。コメントの永久排除は、視聴者を遠ざけ、放送から離れさせる未来を描いてしまうのではないかと感じる。

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