草原に行けず、牧場でしか生きられない乳牛たち。そんなロシアの酪農業者が奇抜なアイデアを出した。
草原を見ることができるVRゴーグルを牛にかぶせるというアイデアだ。これを実際に試したところ、乳牛らは様々な反応を見せた。
昨年11月、ロシア農業省の発表によると、モスクワ郊外のある農場で乳牛を対象にVRゴーグル着用実験を行った。乳製品諮問家と獣医たちの助けを受けた開発チームが、乳牛の頭の形と視野にぴったり合うように大型サイズのVRゴーグルを開発した。このVRゴーグルを装着した乳牛は垣根で囲まれた狭い農場を抜け出して広い野原で日光浴をするような経験をするという。
実際にゴーグルをしたある牛は、口を開けた状態で草原を満喫しているようだ。農業部は「乳牛がゴーグルを着用した時は、不安感が和らぎ気分が良くなった」としある変化があったと説明した。
この実験は現実的な理由で、乳牛を広い野原に放し飼いできない農家に朗報だった。ただ、VRゴーグルを外した時、乳牛らが感じる精神的衝撃や、VRゴーグルそのもののバッテリー寿命などが、この実験の課題として残っている。
これについて一部では、この実験を誕生させた根本的な原因である「そもそもだが、なぜ乳牛を野原に放すことができないのか」と指摘し、批判的な反応を示した。