2026/06/03 17:30:42

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AI

HTCのスマートグラス「VIVE Eagle」製品レビュー AIと音声操作に特化した“日常使い”グラス


HTC VIVE Eagle
HTCのスマートグラス「VIVE Eagle」は、AR表示よりも“AIアシスタント・音声操作・カメラ・音楽再生”に振り切った、日常使い向けのAIグラスです。ディスプレイを搭載せず、軽さと装着感を優先している点が大きな特徴。スマホを取り出さずに写真撮影、音声メモ、AIへの質問、翻訳、音楽再生などができるため、「毎日かけられるAIデバイス」としてかなり現実的な仕上がりです。

日本では2026年4月24日に発売され、価格はサングラスレンズ・クリアレンズモデルが税込82,500円、調光レンズモデルが税込98,000円です。

VIVE Eagleとは?

VIVE Eagleは、HTC NIPPONが展開するAIスマートグラスです。一般的なARグラスのように視界に映像を投影するタイプではなく、音声・カメラ・AIアシスタント・オープンイヤー音声を中心にした製品です。

つまり、目の前に画面が浮かぶガジェットではなく、見た目はサングラスやメガネに近いまま、必要なときにAIを呼び出せる“身につけるスマホ補助デバイス”という位置づけです。HTC公式でも、音声操作、AI機能、情報確認、記録、コミュニケーション支援などを主な用途として打ち出しています。

個人的にこの方向性はかなりアリです。AR表示を入れると一気に重く、高価で、バッテリーも厳しくなりがちですが、VIVE Eagleはそこを割り切って「普段使いできる軽さ」に寄せています。派手さはありませんが、実用寄りです。

デザインとカラー展開

VIVE Eagleは、スマートグラスっぽさを抑えたウェリントン型に近いデザインです。ガジェット感はありますが、フレームが太めのサングラスとして見れば、街中でもそこまで違和感はありません。

カラーはサイズによって展開が異なります。
サイズカラー
Mサイズブラック、ベリー、コーヒー、グレー
Lサイズブラック、グレー
調光レンズ仕様ブラックのみ

Mサイズは4色展開で、ブラックは無難、グレーは軽め、コーヒーは落ち着いた雰囲気、ベリーは少し個性派という印象です。ビジネスや普段使いを考えるならブラックかグレーが選びやすく、ガジェット感を楽しむならベリーやコーヒーも面白いです。公式仕様では、調光レンズモデルはブラックのみとされています。
重量はMサイズがレンズ込み48.8g、Lサイズがレンズ込み51.5gです。一般的なメガネよりは重めですが、カメラ・マイク・スピーカー・バッテリーを搭載しているスマートグラスとしてはかなり軽量です。

HTC VIVE Eagle

装着感:ディスプレイ非搭載だから軽い

VIVE Eagleの大きなポイントは、ディスプレイを搭載していないことです。これは一見すると弱点にも見えますが、実際には製品コンセプトの核です。
ディスプレイがないため、視界を邪魔しにくく、目の疲れも起きにくい。さらに軽量化にもつながっています。発表会の体験レポートでも、ディスプレイ非搭載によって「日常使い」と「軽量化」を優先している点が評価されています。

ARで地図や通知を視界に出したい人には物足りません。一方で、「毎日かけられるAIグラス」が欲しい人には、むしろこの割り切りが強みです。

性能・スペック

VIVE Eagleのチップセットは、Qualcomm Snapdragon AR1 Gen 1。AIグラス向けのSoCで、カメラ、音声処理、通信、AI連携などを支えます。メモリは4GB RAM、ストレージは32GBです。

主なスペックは以下の通りです。
項目内容
チップセットQualcomm Snapdragon AR1 Gen 1
メモリ4GB RAM
ストレージ32GB
カメラ12MP超広角カメラ
写真3024×4032px
動画1512×2016、30fps
マイク指向性マイク×1、全指向性マイク×3
スピーカー低音強化型オープンイヤー・ステレオスピーカー×2
通信Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
防塵・防水IP54
バッテリー235mAh
音楽再生最大4.5時間
通話3時間以上
待機時間36時間以上

カメラは12MPの超広角。写真や短い動画をハンズフリーで撮影する用途には十分です。ただし、スマホの高性能カメラの代替というより、目線に近い映像を手軽に記録するためのカメラと考えたほうがよさそうです。

カメラ性能:日常記録やSNS向けに便利

VIVE Eagleのカメラは、スマホを取り出さずに写真や動画を撮れるのが魅力です。たとえば、旅行中、子どもやペットとの散歩、イベント、料理、街歩きなどで「今撮りたい」と思った瞬間に声やボタンで撮影できます。

写真は3024×4032px、動画は1512×2016@30fps。動画は縦型寄りの仕様なので、SNS投稿との相性も良さそうです。公式仕様でもHD写真・動画撮影用の12MP超広角カメラとされています。

また、撮影時にはキャプチャLEDが点灯する仕様です。スマートグラスは盗撮への不安がつきものなので、撮影中であることを周囲に示すLEDは重要です。とはいえ、使う場所や相手への配慮は必須です。ここは「便利だから何でも撮れる」ではなく、スマホ以上にマナーが問われるデバイスです。

AI機能:GeminiとOpenAI GPTに対応

VIVE Eagleは、HTC独自のVIVE AIを通じて、Google GeminiとOpenAI GPTにアクセスできます。OpenAI GPTは公式仕様上、現在ベータ版として記載されています。

できることとしては、音声での質問、情報確認、翻訳、メモ、リマインダー、周囲のものについての質問などが想定されています。スマホを取り出してアプリを開くよりも、声でそのままAIに聞ける点が魅力です。

たとえば、

「この看板を翻訳して」
「今見ているものを説明して」
「この内容をメモして」
「次の予定を思い出させて」
「この料理について教えて」

といった使い方ができます。

AIグラスとしての本質は、画面表示ではなく“自分の視点と音声をAIにつなぐ”ことです。ここがVIVE Eagleのいちばん面白いところです。

自分ならこう使う!VIVE Eagleの活用シーン

VIVE Eagleは、ただのカメラ付きメガネではなく、日常の中で「スマホを取り出す手間」を減らしてくれるAIグラスです。私なら、まずは次のような使い方をしてみたいです。

散歩や旅行中の“ながら撮影”に使う
スマホで写真を撮ろうとすると、ポケットやバッグから取り出して、カメラを起動して、構えて撮影する必要があります。VIVE Eagleなら、見ている景色をそのまま目線に近い形で撮影できるので、散歩や旅行との相性はかなり良さそうです。
特に、子どもやペットとの外出では便利です。スマホを構えた瞬間に表情や動きが変わってしまうこともありますが、グラス型なら自然な瞬間を残しやすいのが魅力です。

会議や商談のメモ代わりに使う
VIVE AI Notesを使えば、会話の文字起こしや要約にも対応できます。仕事で会議や商談が多い人なら、議事録作成の手間を減らす使い方ができそうです。
もちろん録音や文字起こしをする場合は、相手への確認や社内ルールの確認が必要です。ただ、了承を得たうえで使えば、「聞くこと」に集中しながら、あとで内容を振り返れるのは大きなメリットです。

外出先でAIにすぐ質問する
スマホでChatGPTやGeminiを開くのは便利ですが、歩いているときや荷物を持っているときには少し面倒です。VIVE Eagleなら、音声でそのままAIに質問できます。
たとえば、看板の意味を聞く、知らない言葉を調べる、英語表現を確認する、今見ているものについて説明してもらう、といった使い方ができます。スマホを操作せずにAIを呼び出せるのは、想像以上に便利だと思います。

音楽や通話用の“耳をふさがないイヤホン”として使う
VIVE Eagleはオープンイヤー型のスピーカーを搭載しているため、耳をふさがずに音楽や通話ができます。通勤、散歩、買い物中など、周囲の音を聞きながら使いたい場面に向いています。
本格的な音質を求めるならイヤホンのほうが有利ですが、BGMやポッドキャスト、AI音声、短い通話であれば十分便利に使えそうです。

ブログやSNSのネタ集めに使う
レビュー記事やSNS投稿を作る人にも相性が良いです。気になった風景、看板、商品、イベントの様子などをすぐに記録できるので、「あとで記事にしよう」と思った瞬間を逃しにくくなります。
スマホで撮影するほどではないけれど、記録しておきたい。そんな小さな情報収集に、VIVE Eagleはかなり向いていると思います。

私なら“毎日使うAIメモ兼カメラ”として使いたい
VIVE Eagleを一番活かせるのは、特別なガジェットとしてではなく、日常の中で自然に使うことだと思います。
スマホを出すほどではない小さなメモ、目の前のものについての質問、散歩中の写真、会議の振り返り、移動中の音楽。こうした細かい用途が積み重なることで、「意外と手放せないデバイス」になる可能性があります。

AR表示のような派手さはありませんが、毎日使うなら、むしろこのくらい自然なほうがちょうどいい。VIVE Eagleは、AIを日常に溶け込ませたい人に向いたスマートグラスだと感じます。

VIVE AI Notes:会話の文字起こし・要約にも対応

VIVE Eagleでは、VIVE AI Notesという機能も用意されています。会話の文字起こし、話者識別、要約に対応し、購入者は追加料金なしで最大15時間分を3か月間利用できると案内されています。

これは仕事用途でもかなり使えそうです。会議、商談、インタビュー、イベント参加時のメモなど、スマホやICレコーダーを出さずに記録できるのは便利です。

ただし、録音・文字起こしは相手の同意が必要になる場面も多いので、ビジネス利用では社内ルールや個人情報の扱いを確認したほうが安全です。

アプリ「VIVE Connect」の使い勝手

VIVE Eagleの設定には、専用スマホアプリ「VIVE Connect」を使います。公式FAQでは、VIVE EagleのセットアップにはスマートフォンとVIVE Connectアプリが必要とされています。

対応OSは、iOS 17.6以上、Android 10以上です。

アプリでは、各種設定、AIエンジン、言語設定、クイックコントロールボタンの動作などを管理できます。週刊アスキーのレポートでは、アプリはAndroid・iOS向けに提供され、AIエンジンをGeminiまたはChatGPTに切り替えられると紹介されています。

一方で、同レポートではアプリが日本語、英語と中国語の対応となっています。

音楽・通話:オープンイヤー型で周囲の音も聞こえる

VIVE Eagleは、低音強化型オープンイヤー・ステレオスピーカーを搭載しています。耳をふさがないため、音楽や通話をしながら周囲の音も聞きやすいのが特徴です。

これは散歩や移動中にはかなり便利です。イヤホンのように耳を塞がないので、車、自転車、人の声などに気づきやすい。一方で、静かな場所では音漏れに注意が必要です。

音質については、本格的なイヤホンやヘッドホンと比べるものではありません。BGM、ポッドキャスト、通話、AI音声応答を聞くには十分、という立ち位置です。

バッテリーと充電

バッテリー容量は235mAh。連続音楽再生は最大4.5時間、連続通話は3時間以上、待機時間は36時間以上です。急速充電にも対応しており、10分で1%から50%、23分で1%から80%まで充電できます。

ここはかなり実用的です。バッテリー容量だけ見ると小さく感じますが、ディスプレイ非搭載なので消費電力を抑えやすい。通勤・散歩・短時間の外出・会議利用なら十分でしょう。

ただし、1日中ずっと音楽を聴く、撮影を多用する、AIを頻繁に呼び出すという使い方だと、途中充電は必要になりそうです。付属ケースに充電機能はなく、本体にマグネット式ケーブルを接続して充電します。Impress Watchも、付属ケースは充電機能を備えていないと報じています。

レンズ交換・度付き対応

VIVE EagleはZEISSレンズを採用し、サングラスレンズ、クリアレンズ、調光レンズの仕様があります。公式仕様では、ZEISS UV400サングラスレンズ、ZEISS UV400クリアレンズ、ZEISS UV380調光レンズが記載されています。

また、眼鏡店で度付きレンズへの交換も可能とされています。普段メガネを使っている人にとって、これはかなり重要です。スマートグラスは「度付きにできない」と一気に日常利用が難しくなるので、VIVE Eagleはその点でかなり現実的です。

気になる点

VIVE Eagleはかなり面白い製品ですが、万人向けではありません。気になる点もあります。

まず、ディスプレイがないこと。地図、通知、字幕、ナビなどを視界に表示したい人には向きません。ARグラスというよりAIオーディオグラスです。

次に、価格が高めです。82,500円からという価格は、ガジェットとして気軽に試すには少し勇気がいります。スマホやイヤホンの代替ではなく、追加デバイスとして買うことになるため、用途が明確な人向けです。

また、プライバシーへの配慮も必要です。カメラ付きメガネは周囲に警戒されやすいため、撮影場所や相手への説明は大切です。もちろんプライバシー配慮もされており、裸の撮影などは許可されていません。その他相手が手をかざして嫌がった動作をした際は撮影が中止されます(アプリ内で設定が必要)。

さらに、アプリやAI機能は地域・言語・通信環境によって使い勝手が変わる可能性があります。HTC公式も、VIVE AI、音声コマンド、翻訳機能は対象地域や言語に限りがあり、AI回答の正確性は保証されないと案内しています。

総評:VIVE Eagleは“画面のないAIグラス”としてかなり現実的

VIVE Eagleは、派手なAR表示を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。しかし、スマホを取り出す回数を減らし、音声でAIにアクセスし、見たものをそのまま記録できるグラスとして見ると、完成度はかなり高いです。

特に良いのは、軽さと自然さです。Mサイズで48.8gという重量、オープンイヤー音声、12MPカメラ、Gemini・OpenAI GPT対応、VIVE AI Notes、急速充電。このあたりのバランスはよく、ガジェット好きだけでなく、仕事や日常でAIを使う人にも刺さります。

一方で、画面表示がないため、ARナビや通知表示を求める人には向きません。これは「スマートグラスで何をしたいか」によって評価が大きく分かれる製品です。

まとめ

HTC VIVE Eagleは、AIアシスタント・音声メモ・翻訳・カメラ撮影・音楽再生を、メガネ型デバイスにまとめたスマートグラスです。

良い点は、軽量で日常使いしやすく、GeminiやOpenAI GPTに対応し、スマホを出さずにAIやカメラを使えること。度付きレンズ交換に対応している点も、メガネユーザーには大きなメリットです。

一方で、ディスプレイ非搭載なので、視界に情報を表示するAR体験はできません。また、価格は税込82,500円からと安くはなく、用途がはっきりしていないと持て余す可能性があります。

総合的には、VIVE Eagleは“ARグラス”というより“AIを身につけるためのメガネ”です。派手さよりも実用性を重視したスマートグラスで、AI時代のウェアラブルとしてかなり面白い一台です。

こんな人におすすめ
スマホを取り出さずにAIを使いたい人
音声メモや会議の文字起こしをよく使う人
散歩、旅行、イベントでハンズフリー撮影したい人
ガジェット感が強すぎないスマートグラスが欲しい人
度付きレンズ対応のAIグラスを探している人
音楽や通話を耳をふさがずに使いたい人
ChatGPTやGeminiを日常的に使っている人

あまりおすすめしない人
視界に地図や通知を表示したい人
ARディスプレイ付きグラスを期待している人
長時間の動画撮影をメインにしたい人
音質重視で音楽を楽しみたい人
8万円台の価格に見合う用途がまだ明確でない人

結論として、VIVE Eagleは“毎日かけられるAIグラス”としてかなり現実的な製品です。スマートグラスの未来を少し早く試したい人には、かなり魅力的な選択肢になるでしょう。

HTC VIVE Eagle

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